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ウィスパリングギターⅢ収録のParting Glassについて

アイルランド民謡、日本語だと別れの酒。実はこの曲は提案されるまで知らない曲だったのでまずは曲を調べるところから始めた。有名なのはエドシーランのデビューアルバムの隠しトラックとして録音されたものということだったがイマイチ僕にはピンと来なかった。(もちろん素晴らしい演奏なのだが) 他にもアイルランドのミュージシャンによる演奏などたくさん聴いて素材を集めて、ここからは僕なりに自由に編曲することにした。いただいたオーダーは「葬送」。とにかくシンプルに、音楽が空に響き潮風を纏いやがて土に還るようなイメージ。自分的にかなり気に入っている出来となった。ウィスキーと一緒に聴いていただきたい一曲。

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音楽

ウィスパリングギターⅢ収録のScaborough Fairについて

サイモン&ガーファンクルの録音で知られたこの曲をアレンジするにあたってプロデューサーから「一人静かに唄うように、最も静かで音数少なく」とオーダーをいただいた。限りなく少ない音の中に無限の奥行き(永遠に流れる時間のような)をイメージした。漠然と頭の中に浮かんだ映像があって、深い谷の中でいくつもの巨石が浮かんでは上昇と下降をゆっくりと静かに繰り返している世界。まるでゲームの中の世界。
それはさておきこの曲と同じ旋法で作られているグレゴリオ聖歌の怒りの日をモチーフとして入れてみた。1000年近く前の旋律を入れることで悠久の時を表現している。

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音楽

ウィスパリング・ギターⅡ収録のシンドラーのリストについて

第二次世界大戦時のドイツによる組織的なユダヤ人虐殺は人類最大の悲しい出来事で二度と起こしてはならないものだ。とても直視できないような現実を映画として再現したスティーブン・スピルバーグとそのスタッフたちには心から脱帽する。決して楽しい現場ではないだろうし、悲しみや悔しさが増幅していく大変に精神力のいる仕事だったとも思う。けれど作品がこうして残り僕のように戦争を知らない人間もこの信じられない事実を知ることが出来る。すごく大切な仕事だ。
制作に入る前にチェリストのヨーヨー・マと作曲家のジョン・ウィリアムズがこの曲・映画について対談している動画を見た。この映像に音楽をつけるのはとてもつらかったという。その中でヨーヨー・マの語った言葉が特に印象に残った。
「このフレーズを聞くとある場面が鮮明に浮かぶ。わが子や孫を腕に抱いている瞬間だ。そして彼らの人生に思いを馳せる」
このような映画が音楽が必要なくなる世界を願って演奏した。

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音楽

ウィスパリング・ギターⅡ収録の愛を奏でてについて

映画「海の上のピアニスト」はジュゼッペ・トルナトーレとエンニオ・モリコーネの監督&音楽コンビによる作品。同じコンビでかの名作「ニュー・シネマ・パラダイス」がある。もうため息しか出ない美しい音楽と映像の組み合わせ。中でも愛を奏でてが劇中流れるシーンは映画史上最高の演奏シーンだと思う。さあ、ピアノの無垢で透明な音の為に書かれたようなこの曲をギターでどう表現するか?譜面を書き始めるまでにかなり構想とイメージを練ってとりかかった。出来上がったイメージは原曲のシーンとは違うが、生まれたばかりの赤ん坊を愛しその成長をゆっくりと見守り続けるようなイメージ。ギターの温かさと愛を奏でるメロディが溶けたのではないかと思う。

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音楽

ウィスパリング・ギターⅠ収録のInterstellarについて

今回のウィスパリング・ギタープロジェクトの一番最初にプロデューサーの池田さんから提案していただいた曲。同名の映画「Interstellar」からの音楽で作曲はハンス・ジマー。この映画は僕の中のベスト10に間違いなく入る作品。制作にとりかかる前にもう一度観ようとBlu-rayを購入。やはり最高だ。
感動が新鮮なうちに編曲を始め、原曲のパイプオルガンやオーケストラの壮大さに対しギター1本で表現するに多々苦戦するところはあったが、とはいえ作品に後押しされ1日で集中して完成。結果オーケストラには出せない奥行きが出せたのではないかと思っている。
ちなみにこのEPのジャケットの写真はプロデューサーの池田さんが撮影したものらしい。素敵。

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音楽

ウィスパリング・ギターⅠ収録のA Time For Usについて

言わずと知れた映画「ロミオとジュリエット」の曲。この曲を最初に知ったのは(それ以前に耳にしたことはあったかもしれないが)車のラジオにて、演奏は日本のアカペラグループのアンサンブルプラネタによるもので、美しいメロディとハーモニー、そして演奏者の声に完全に魅入られたのを今でも覚えている。
いつか演奏したいとは思っていたけど自分からは手を出すことはなかった。この度ウィスパリングギターの録音のお話をいただき11弦ギターを用いて編曲に挑戦することにした。漠然と浮かんできたテーマは「死と救い」。ギターの儚いアルペジオと深い低音の余韻が曲の世界観を表現できたのではないかと思っている。

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音楽

Bill Evans 「You Must Believe In Spring」

ビル・エヴァンスの1977年録音のアルバム。
とにかく美しいの一言に尽きます。初めて聞いた時の印象は「なんてベースの音がいいアルバム!」でした。何度聞いてもその印象は薄れることなく僕の中の良質ベースアルバムの筆頭です。ベーシストはエディ・ゴメス。ビル・エヴァンスはスコット・ラファロといい、良いベーシストとの出会いに恵まれていたと感じます。
ドラムスの音符も加えてたまりません。言ってみれば叩くというよりは奏でるドラムス。テンポキープとしての仕事ではなく、まるでハーモニーを担っているかのような演奏にはドラムスの概念を覆されると同時に憧れます。
ジャズを聴いているというよりはクラシック音楽のピアノトリオを聴いているかのような完成度。どこまでが作りこまれた音符なのか、そんな聞き方も楽しんでいます。

ジャケットはチャールズ・バーチフィールドの作品。一見余白の多いフレームの中にたたずむ美しい絵に見えますが、じっくり向き合うと結構異常な世界観も感じます。このマッチングも個人的にはこのアルバムを特別な物にしている大きな要因です。

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ニュース

初ソロCD発売!

2022年2月25日にわたくし初めてとなるソロCDを出させていただきます。沢山の方の支えと、いくつもの出会いに恵まれてこのような機会をいただけて感謝でいっぱいです。この場をお借りしてお礼申し上げます。
CDではイタリアのコンポーザーピアニスト、ルドヴィコ・エイナウディの作品を全てギターソロにアレンジし演奏しています。日本ではまだあまり有名ではない作家かもしれませんが(僕もこの機会で初めて知りました)素晴らしい楽曲の数々で編曲も演奏も心から楽しむことが出来ました。多くの方に届くことを願います。発売が待ち遠しいです。みなさま是非よろしくお願いいたしますm(__)m