ビル・エヴァンスの1977年録音のアルバム。
とにかく美しいの一言に尽きます。初めて聞いた時の印象は「なんてベースの音がいいアルバム!」でした。何度聞いてもその印象は薄れることなく僕の中の良質ベースアルバムの筆頭です。ベーシストはエディ・ゴメス。ビル・エヴァンスはスコット・ラファロといい、良いベーシストとの出会いに恵まれていたと感じます。
ドラムスの音符も加えてたまりません。言ってみれば叩くというよりは奏でるドラムス。テンポキープとしての仕事ではなく、まるでハーモニーを担っているかのような演奏にはドラムスの概念を覆されると同時に憧れます。
ジャズを聴いているというよりはクラシック音楽のピアノトリオを聴いているかのような完成度。どこまでが作りこまれた音符なのか、そんな聞き方も楽しんでいます。
ジャケットはチャールズ・バーチフィールドの作品。一見余白の多いフレームの中にたたずむ美しい絵に見えますが、じっくり向き合うと結構異常な世界観も感じます。このマッチングも個人的にはこのアルバムを特別な物にしている大きな要因です。